沖縄の食文化が育んだ「一物全体」の思想

沖縄の豚は「アグー豚」という名称でブランド化されていますが、沖縄の食市場にいくと豚さんの顔の皮膚などが飾られていて、初めて見る人はぎょっとすること請け合いなのです。沖縄の食文化は一頭丸ごとすべて食べつくすということが徹底されています。

こういう食への考え方を沖縄では”一物全体(いちぶつぜんたい)”というそうです。

沖縄では本土とはちがって肉食への禁忌がなかったために豚ヤギ牛イノシシ馬、はてはジュゴン!まで食されていましたが、豚もヤギも古来より貴重なものですから、食用にする場合はそれこそ”ひづめと鳴き声以外は全部食べる”と言われるほど最後の部位まで無駄にしないで調理して食べます。

これは貴重な食材だから残さずに食べるということと同時に、どの部位にも身体に資する栄養素が含まれているからですね。

とはいっても豚を一頭丸ごと料理するというのは一般家庭では現実的ではありません。でも毎日の食卓でも野菜や果物・魚などではそれが可能です。

沖縄の代表的な郷土料理と言えば沖縄そばやゴーヤチャンプル、海ブドウやモズクなどの海藻類、豚の煮つけなどですよね。

”チャンプル”というのは琉球語で「ごちゃまぜにしたもの」という意味です。なのでゴーヤチャンプルというと普通は沖縄豆腐とゴーヤとそのほかの野菜を混ぜた炒めものという料理になります。

ゴーヤはニガウリともよばれるツル科の植物の一種です。細かい話になりますが沖縄本島ではゴーヤー、八重山諸島ではゴーヤと呼びます。

ゴーヤの果実は皮まで使って食べますが、ゴーヤにはガン予防作用があるといわれています。また血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあるともいわれています。ただ妊婦さんには流産を誘発するなどの副作用があるといわれていますのでお控えください。

例えばブルーベリー、ぶどうなどは果実をそのまま食べれますよね。以前にも記事しましたが、栄養素は外側や外皮の固い部分に集まることが多いです。外皮は色がついていますが、これがポリフェノールの色素ですから皮をむかないでそのまま食べてみましょう。

天ぷらのエビなどもおいしいですが、しっぽまで食べる人と残す人がいると思います。どうしても苦手というのでなければ、イワシのように頭からしっぽまで全部食べてみましょう。

もっと小さいものでいえばご飯のお供においしい”ちりめんじゃこ”はイワシ類の仔稚魚ですが、カルシウムはもちろんのことマグネシウム、リン、鉄分などのミネラル分も豊富に含まれています。

一物全体という食への考えは日本のもったいない精神とも通底するところがあると思います。できるだけ食材を残さず有効活用して召し上がりたいですね。

2018年7月26日 | カテゴリー : 食事 | 投稿者 : staff