
「ヒンジ」というのは日本語で蝶番(ちょうつがい)のことです。あのドアの開け閉めをつなぐパーツのことですね。つまりヒップヒンジとは膝と股関節をうまく使いながら、でっ尻でかがんだり、しゃがんだりする動作のことです。
ヒップヒンジの動きは日々の生活の中でも実は頻繁に使われています。例えばお辞儀です。仕事などで人に会うと頭をちょっと下げするようなものではなくて、普段よりきっちりと上半身を相手に向けながらお辞儀しますよね
ヒップヒンジに乗っ取ったお辞儀のポイントは、腰を折るのではなくて股関節から曲げるということです。まさに蝶番のように股関節を使って、お尻を少し突き出すように、そして背中はをまっすぐにしてお辞儀します。
百貨店ガールやホテルマンの方などはきれいなお辞儀をされますが、よくみると腰は曲げていませんし、背中はまっすぐになっています。これが美しさの秘密なんですね。
彼ら彼女らは一日に何度もお辞儀をしますので、正しくない姿勢でお辞儀を繰り返すと腰痛などを引き起こしてしまいます。そのためには正しい手順で、ヒップヒンジを意識しながらやることが大切です。
以下がヒップヒンジの動作手順になります。
- 足を肩幅程度に開いて立ちます
- 鼠径部に手の人差し指と中指を添えます。ツボでいうと”衝門”と呼ばれる部分です
- ひざを軽く曲げ、肩を気持ち後ろに引きます
- 添えた手の上をかぶせるようにして上体を倒していきます
- その際、背中をまっすぐに保ちながらお尻を後ろに突き出します
- ゆっくりと元に戻します
これがヒップヒンジの一連の動作になります。一番上の動画がとても参考になります(クリックすると開きます)。
もしうまくできていれば、お尻から太ももにかけての後ろの部分に”ハリ”を感じるはずです。ここにハリが出ていないと、股関節ではなく膝で体を曲げている可能性があります。
どうしてもうまくいかないという人はお尻やハムストリング、背中の柔軟性が不足している可能性があります。その場合は例えば両手を壁につけながら、もしくは椅子の背もたれに手をかけながら、ゆっくりと太ももの後ろにハリを感じる程度に上体を傾けていく練習をしましょう。
ヒップヒンジは腰を痛めないための基本となる動作です。お辞儀なんて簡単だと思ってる方が多いと思いますが、このヒップヒンジを意識するとできていないことがわかります。
ヒップヒンジができていないと、例えばスクワットなども満足にできず、筋力をつけるどころか腰を痛める原因にもなります。
スクワットの動作はさらに重いものを持ち上げる動作につながります。例えばオリンピック種目にもなっている重量挙げですが、これはデッドリフトと呼ばれる筋力トレーニングの強化版なのですが、ヒップヒンジができていないと大けがをしてしまいます。
ヒップヒンジは一般の人が日常生活を営む上で基本的な動作の一つでもあります。この動作が自然にできていないと、ちょっと重いものを持つたびに腰を痛め腰痛の原因になります。今一度、ヒップヒンジを通して体の使い方、正しい姿勢の持ち方を見直したいですね。