介護サービスを受けるための基礎知識③

前回紹介したように、介護サービスを受けるためには要介護度を測るための認定調査を受ける必要があります。ここではその認定調査について説明したいと思います。

認定調査は基本、市町村の自治体職員が自宅へ出向いて行われます。利用者さんが入院中の場合は、病院に出向いて審査することもあります。

認定調査の際の注意点ですが、いくつかあります。まず利用者さんのみならずご家族の誰かに同席してもらうこと、普段過ごしている通りに動いてもらうこと、質問に対しては素直にありのままを答えてもらうことなどです。

家族の方から見てあまりにも普段と違う行動様式をとられるようなら、もう一度調査をやり直してみることも大切です。

認定調査の項目は多岐にわたります。トイレなどを自分で行えるか、一部介助が必要になるか、全介助が必要になるか、外出の頻度はどれくらいか、徘徊はみられるか、買い物は自分でできるか、麻痺の程度はどれくらいかなどなどです。要は日常の自立度がどのくらいかというのをみることになります。

認定調査は基本聞き取り調査が主ですが、身体機能を見るときに実際にやってみせてもらうこともあります。例えばまひの有無を見る場合は実際に両手を動かしてもらったり、両足を動かしてもらうことになります。

また関節の可動域についてもチェックされます。股関節やひざ関節などはベットからの起床や外出時の靴はきなどと関係してくるので、どの程度介助が必要になるかの目安となるからです。このほか座位姿勢や歩行姿勢や片足立ち、視力チェックなどが行われます。

調査の目的は利用者さんの普段の状態を的確に判断して、必要な介護の程度を正確に把握するためのものですから、普段よりがんばったりよく見せようとしないで、ありのままの状態を見せていただくことが大切です。

以上が介護サービスを受けるための自治体による調査の概要になります。

2017年4月25日 | カテゴリー : 介護 | 投稿者 : staff

介護サービスを受けるための基礎知識②

さて前回の続きです。地域包括センターで十分に相談を受けた後は、介護保険が利用できるサービスを受けるために要介護認定の申請が必要になります。必要な書類は要介護認定申請書に加えて、65歳未満の人は医療保険の被保険者証が、65歳以上の人には介護保険の被保険者証が必要になります。また本人確認のためのマイナンバーカードや運転免許証なども必要になります。

申請書類は地域包括センターでも当該自治体のHPからでもダウンロードできます。その申請書類から自治体による調査がなされて、主治医の意見書をもとにコンピューターによる一次審査が行われます。もし主治医やかかりつけ医がいない場合は、申請窓口でお医者さんを紹介してもらえますので、相談してください。

次に介護認定審査会により2次審査がなされて、最終的な要介護区分が決定されます。その際、介護保険の負担割合証も交付されますので大切に保管してください。有効期間は1年で、毎年6~7月ごろに更新され再交付されます。

さてこのような要介護認定を受けて介護サービスを受けるためには、要介護者と介護サービス事業者との間を取り持つ専門の介護支援者が必要になります。それがケアマネージャー(略してケアマネ)と呼ばれる専門家たちです。

ケアマネは利用者さんの状況とニーズを把握したうえで、ケアプランを作成します。事業者はそのケアプランに従ってサービス提供を行うのです。ケアマネに頼ることなく例えばご家族などがプランを作成することもできなくはありませんが、介護サービスの種類はたくさんあり、事業者によってサービスも異なってきます。現実的にはケアマネさんに頼ることなくプランを作成することは難しいと思われます。

介護サービスの内容については経験と知識の豊富なケアマネさんと相談しながらある程度はおまかせして、ご家族の方は要介護者のサポートに力をいれることが最適な負担配分になると思います。

ケアマネさんは介護事業所や居宅介護支援事務所、特別養護老人ホームなどに所属しています。このほか独立系と呼ばれる先ほどの組織に併設しない形で、単独の事務所に所属している場合もあります。

ケアマネさんを選んだあとは、そのケアマネさんの所属先と契約を結ぶ必要があります。事業所内で複数のケアマネさんを抱えている場合は、事業所を変えることなくケアマネの担当を変更することも可能です。ケアマネさんとどうしても相性が合わないということもありますので、サービス事業者と同じく、しっくりこない場合は変更してみることも選択肢となります。

2017年4月24日 | カテゴリー : 介護 | 投稿者 : staff

介護サービスを受けるための基礎知識①

近親者の方のご様子がおかしくなり、介護が必要だと感じたときにどうしてよいのか初めての時にはわかりづらいのが介護制度です。ここではいざというときにどのような手続きをすればよいのかについて説明したいと思います。

ここでは例として親御さんの状態が認知症などの進行により介護を必要とする状態になったと仮定して話を進めていきたいと思います。

まず事前に親御さんの住んでいる地域の支援制度の内容について情報を集めてみましょう。ここでいう住んでいる場所というのは、実際に住まわれている住所ではなく住民票に記載された住所のことです。その住所内にある「地域包括支援センター」というところに連絡をとってみましょう。

地域包括支援センターというのは、国が当該者が可能な限りその地域において自分らしく生活していけるように、行政的な支援を包括的に執り行うためにできた施設のことです。

地域包括センターについてはウェブ上で情報を開示しているところがほとんどですから、相談できる日時を確認して電話で連絡をとってみて、実際に現地を訪れてみるのが一番良いと思います。

そこでは高齢者支援サービスについて教えてもらえますが、サービスには介護保険が適用されるものとされないものがあります。介護保険が適用されるものには要支援1以上の認定が必要になります。

介護保険が適用されないものには地域ごとにサービスの内容が変わってきますが、認知症予防や日常的な活動支援、家事支援などのトレーニングやサービスが含まれています。

介護支援を受けるためには、被介護者の個人的な情報が必要になってきます。それについてよくご存じなのは基本的にはご家族の方だと思います。例えばどのような色が好きなのか、服装はいつもどんな感じなのか、料理はどのような味付けが好みなのか、スポーツは何をしていたのかなどです。

日ごろお付き合いのある交友関係なども重要です。また資産の所在の把握についても大切なので、記憶がはっきりしている時によく話し合っておくことが大切です。

ここまでがとりあえずの介護支援制度にかかるための前段階の説明になります。次は介護保険の適用をうけることができる介護サービスについて、それを受けるのに必要な介護認定の話をしたいと思います。

2017年4月21日 | カテゴリー : 介護 | 投稿者 : staff

誤嚥防止のための経口補水ゼリーの作り方

経口補水液は主に脱水症状がみられる場合に使用しますが、嚥下能力が低下した高齢者の方にも有効な飲み物です。高齢者は体内に水分を蓄積する能力が低下しており、かつ小水に行く回数も多いので、こまめに水分補給をすることが大切です。

経口補水液が普通の水と違うのはナトリウムなどの電解質も含まれていることです。水分ばかり取って電解質が少ないと、逆に体は水分を放出して電解質の体内密度を上げようとして脱水状態に陥ることもあります。

経口補水液はOS-1というのが大塚製薬から市販されていますが(OS-1についての以前の記事)、自宅でも内容量を調節しながら作ることが可能です。その作り方を簡単に説明します。

1.まず1リットルのお湯を沸かして、そのあとほどよく湯冷めさせます
2.砂糖35g、食塩3gをいれてよくかき混ぜます
3.最後にレモンやグレープフルーツなど柑橘類の汁をしぼって入れてあげれば出来上がりです

レモンなどの柑橘系の果汁をいれるのはカリウムなどの電解質を含んでいるからです。また水道水のカルキ臭などをとってくれる効果もあります。

ただ、嚥下能力が低下しているお年寄りですと、液体を口からとることが難しくなっている場合があります。その場合には次の様にゼリー状にして食べさせてあげることが有効です。

1.水1リットルにスポーツドリンクの粉末一袋の半分と砂糖50g、寒天7gを入れてよくかき混ぜる
2.火にかけ沸騰させた後は湯さましをして冷蔵庫にいれて冷やし固めます

ポイントは市販のスポーツドリンクの粉末を利用することです。大体ナトリウム、砂糖は入っていますし、あとはビタミン、クエン酸、アミノ酸、カリウム、アルギニンなどをそれぞれ特色として配分されている商品もありますので、自分に合った商品を選んでほしいと思います。

家で作った場合は市販されている商品のような酸化防止剤(ビタミンC)などは入っていませんので、できるだけその日のうちに消費してしまいましょう。ただし腎機能がよくない方は、カリウムの取りすぎはよくありませんので注意してください。

2016年12月13日 | カテゴリー : 食事, 介護 | 投稿者 : staff

誤嚥肺炎予防に舌のケア

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誤嚥による肺炎について述べてきましたが、舌の運動とケアも誤嚥予防には大切なことです。舌の表面に汚れが残っていると、そこからの雑菌が唾液や食べ物と混じって肺に入ってしまうと炎症の原因になります。また口臭予防にもなります。

舌の表面には”乳頭”と呼ばれる小さな突起が全面にわたってびっしりと生えています。乳頭には味蕾(みらい)と呼ばれるセンサーがついていおり、ここが味覚を司っています。ここの部分に汚れがたまりやすく、掃除することが必要です。

ただし硬いブラシなどでこすってしまうと、このセンサーである味蕾を破壊してしまうので、柔らかい専用のブラシや綿棒などでやさしくなでる感じでふいてあげる必要があります。

そして舌のマッサージというのも有効です。基本は舌の奥の方から前方にむけてなでるようにマッサージしてあげましょう。左右の側縁部や舌の裏側なども同様にマッサージしてあげてください。人差し指と中指で舌をはさんで、舌先を伸ばしてあげるように奥から手前にマッサージするのも有効です。

また舌の体操も有効です。舌を左右や上下にべろべろと動かしたり、口の中で円を描くように時計回り、反時計回りと動かしてみましょう。舌がスムーズに動くことで、食べ物をうまく食道に運んでくれますし、誤嚥の可能性も低くなります。

また発声練習も大切です。発声をよくする練習は滑舌をよくする運動と通じています。滑舌をよくする練習を通じて舌の筋力を鍛えるのです。そのためには例えば「早口言葉」を大声でしゃべってみるというのも効果的です。

「赤巻紙青巻紙黄巻紙」 とか「隣の客はよく柿食う客だ」 とか「今日のなまだらなままなかつお」 とか、日本人ならおなじみのやつですね。実際早口言葉はアナウンサーなどでは訓練の項目に入っているといいます。

舌の運動をすると口を動かすので、自然と顔の筋肉を鍛えることにつながります。そうなれば顔の表情も豊かになり、他人とのコミュニケーションも進みます。結果いい循環に入ってさらに舌がうごくようになり、唾液もでて、口内環境をよくすることにつながり、誤嚥予防につながるのです。

歯磨きとともに舌のケアも忘れずに行いましょう。

食事介助の際に役に立つ食器類

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口から食べやすくするために工夫された小道具は、介助が必要とされる高齢者のみならず介助者にとっても大変役に立ちます。いわゆる介護用食器とか安全衛生保護具と呼ばれるものです。ここではそのいくつかを紹介したいと思います。

ヒトはコップで水を飲む際には、微妙に頭を後ろに傾けています。首や頭に障害があると、この首の後継動作がうまくいかずに最後まで飲み干せないということがあります。そこでお勧めしたいのが、飲んだ時に鼻先の部分が引っかからないようにそこの部分だけカットしているカップです。

いろいろな言い方で商品化されていますが、”ノーズフィット・カップ”や”Uコップ”などの商品名で知られています。これだと首を傾けることなく最後まで飲み干すことができます。

また握力が弱くて通常のお箸だとつかみにくい方には、例えばトング式のお箸が開発されています。トング式なので箸の一方がつながった作りになっています。また柄の部分が好みの形状に曲げられるスプーンやフォークも販売されていますので、お試しになってほしいと思います。名称は”グッドグリップス”や”曲げ曲げハンドル”などですが、たくさん種類がありますのでいろいろ検討してほしいと思います。

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握力が弱まったからと言って箸を使わないでいると、ますます弱くなってしまいますので、こういった道具をうまく使ってできるだけ通常と同じ食生活をしてほしいものです。

また握力が弱くても、持ちやすくこぼしにくい取っ手のついたマグカップや丼なども販売されています。これらの商品は底が広くて平たくなっていますし、取っ手の部分はテーブルに接面するように設定されていますので、倒してこぼすようなことが起こりにくくなっています。

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また箸ではなくスプーン主体になって食事をする際には、それを補助してくれる専用のお皿も開発されています。ヘリが広く、スプーンでも隅を使ってうまく救い上げることのできる形状になっています。使用者が目でも楽しめるように好みの柄の皿を探してほしいですね。

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いろいろチェックしていくと、赤ちゃんや幼児が使えるように開発された道具とかなり重なっているように思います。違いは大きさだとか絵柄だとかです。いずれも落としても大丈夫なようにプラスティック製のものが多く、軽くてそれほど高価なものでもないので、いくつか試してみてお好みの製品を見つけてほしいと思います。

2016年11月29日 | カテゴリー : 食事, 介護 | 投稿者 : staff

誤嚥性肺炎を予防する工夫

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誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、咀嚼力や食道が衰えだした高齢者によく発生する病気です。細菌が含まれた唾液や胃液が肺に流れ込んで起こる肺炎です。この病気はご本人とともにお家族や介護者の協力のもとで予防できますので、その予防法を紹介します。

まず普段から口から食べることを最重要視しましょう。誤嚥性肺炎が口から食事をとることが原因だとしても、それを避けようとするために、経口摂取を避けるようなことはよくありません。

ヒトは哺乳類動物であり、動物である限り口から食事をすることでその免疫力や生命力を維持しています。口から食べ物をとれなくなると、関連する生体機能も働かなくなり衰えていってしまいます。特に食べ物を飲むこむ「嚥下(えんげ)」機能の低下は肺炎のみならず、体の免疫能力を低下させてしまいます。

次に食べるときの姿勢です。坐位の状態で、姿勢よく食事をしましょう。食べ物は重力に従って上から下へと落ちていきますので、頭を上にお腹を下にしたまっすぐな姿勢のおかげで、口から入った食べ物は食道から胃に自然と入っていくようになっています。

しかし例えばあおむけ状態で食事をとろうとすると、視覚的に食べ物を認識しにくいため、脳の誤作動から食道と肺の分岐点で食べ物がつまりやすく、誤作動を起こしてしまいます。

また水分をよくとることも重要です。水分をとることで口内が濡れて食べ物を流しやすくできますし、唾液の分泌力もアップします。食事中はこまめに水分補給をしましょう。お年寄りはトイレにいくことを嫌がる傾向があるため、水分の摂取が消極的になりがちです。

そしてよく噛みゆっくり食べることです。焦らず急がずに時間をかけて口にはいったものを咀嚼します。そうすることで食べ物が柔らかくなり、食道をつっかえずに通りやすくなります。

同じことですが、のどを通りやすい食事を考えることももちろん大切です。初めから柔らかいものを用意すれば、多少噛む能力や飲み込む能力が落ちていても、誤嚥することなく食べ物を摂取できます。食材や調理法を工夫して呑み込みやすい料理を用意しましょう。

そして日ごろからよくおしゃべりをしたり、笑ったりするのも大事です。嚥下機能には顔の筋肉も関係しています。顎をよく使い、表情豊かに暮らしていくことで、自然と嚥下に関連する筋肉も鍛えられます。

最後に常に口腔内をケアしていつもきれいにしておきましょう。口内は普段から雑菌だらけです。特に食事後に歯磨きを怠ると、食べかすを餌に口腔内菌が繁殖しやすくなります。これが肺に入ると肺炎を起こすもとになります。口腔ケアについては以前の記事(口腔ケアの手順)が参考になると思いますので、お読みください。

認知症とコウノメソッド

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“コウノメソッド”というものが認知症治療の分野で注目を集めています。30年以上認知症治療に当たられてきた河野和彦医師が提唱されているメソッドです。今回はこのコウノメソッドについて紹介したいと思います。

コウノメソッドは脳の萎縮そのものを回復させることはできませんが、認知症に伴う諸症状、徘徊や暴言・暴力、幻視・幻覚症状などを抑制できるといわれています。

認知症には主に3種類あり、それぞれアルツハイマー、レビー小体、脳血管性認知症などです。他にはピック病や認知症に近い症状を表すものとして、パーキンソンやうつ病などもあります。それらの特徴は以前にも記事(3大認知症の種類と特徴)にしたことがありますので参考にしてください。

コウノメソッドは患者さんがどの認知症にあたるのかを、慎重に観察をして的確に診断することから始まります。

というのは認知症の種類によっては、薬の効き方がまったく違ってくるからです。

数ある認知症のなかでもレビー小体型の患者さんには薬が一番効きます。ですので、それをアルツハイマー型やパーキンソンだと考えて投薬してしまうと薬の効果がてき面にでてしまい、症状が悪化することがあります。

認知症の治療薬として有名なのは「アリセプト」ですが、アリセプト自体は大変効果的な治療薬ですが、その処方をまちがうと患者さんの症状を悪化させる可能性があります。

アリセプトには人を興奮させる効果があり、人によっては極端な感情の起伏を招くことがあります。しかしそれは認知症による症状というよりは、投薬による症状だということになります。したがって薬の処方をやめてしまえば、暴言や暴力などの症状は収まるケースが多いのです。

またその日その日の体調によっても薬の効き方は変わってくるので、介護者の方がよく観察されて薬の処方加減を調整してあげることも必要です。

このようにコウノメソッド自体はなにか特別な治療方法というわけではありませんが、しっかり観察して症状を的確に判断して、治療薬の選択とその処方についても適切に行うという基本的な医師としての治療を実践しているということになります。

一口に認知症といっても、先ほど述べましたように違った種類の認知症でも類似した症状がでますので、なかなか判別が難しいというのはあります。

そのためまずお医者さんの診断能力も問われますが、患者さんの症状を一番良くご存知なのはやはり日頃から接している身近な家族の方ですので、患者さんの症状についてお医者さんに丁寧に説明してあげることも大切です。

2015年6月10日 | カテゴリー : 介護 | 投稿者 : staff

“ユマニチュード” をご存知ですか?

“ユマニチュード”というのは、すこし聞きなれない言葉だと思いますが、フランス生まれの介護用語です。

言語非言語合わせた介護ケアの総合的な技術を意味します。ユマニチュードは4つの要素で構成されます。それぞれ、「見る」「話す」「立つ」「触れる」です。

「見る」では被介助者の目線と合わせて、アイコンタクト後一息置いて、大体20cm程度の間隔を保ちながら話しかけます。

「話す」ではできるだけ穏やかにわかりやすく、今何をしていて次に何をするのかを伝えることが大切です。その際、否定的な言葉を使わず励ますような形で指示をしてください。

「触れる」ではやさしく包み込むような感じで、下から補助する意識でサポートします。つかんだり、力をいれたりしてはいけません。”添える”という感じでお願いします。

「立つ」では、できる限り本人さまに立ってもらうことが必要です。身体的なマヒが重篤でなければ、洗顔、階段、着替え時など、できるだけ自分の力で立つ機会をつくってあげることが大切です。それが寝たきりを防ぎ、健康寿命を延ばします。

言語コミュニケーションが難しくなっている認知症の患者さんにとっても、アイコンタクトなどの見る技術、腕などに優しく触れるなどのボディタッチの技術はとても大切です。

人間は言語以外の動作や音声などの情報を、普段意識していなくてもかなりの量を把握してコミュニケーションをとっているからです。「話す」が難しくても、「触れる」「見る」という代替行為をしっかりやることで、コミュニケーションは十分補えます。4つの要素は相互に補完的で、かつ代替的なものです。

コミュニケーションの一番のポイントは、不安にさせないこと、びっくりさせないこと、です。常に予測がつく範囲内でコミュニケーションをとり、被介助者さんの好きな話題や行為にそれとなく誘導してあげることが、ユマニチュードの基本原則になっています。

介護介助の現場をみれば、日本のプロの介助者さんはそれとなくこの原則にしたがって、やさしくフォローしていることがわかると思います。是非見習っていただきたいと思います。

2015年5月22日 | カテゴリー : 介護 | 投稿者 : staff

口腔ケアの手順

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口腔ケアは毎日の介助習慣です。ここでは基本的な口腔ケアの工夫について紹介したいと思います。

1.まずはじめに椅子に座った状態から、すこし会話をして口腔内の準備運動をしてもらいます。
2.下あごをすこし引き気味にしてもらいます。これで水分を口にためやすくなり、誤嚥を防ぐことになります。
3.いよいよケアをする際には、しゃがむことで目線をお年寄りと同じ高さにしてケアを行います。介助者のほうが高い位置だと、誤嚥する確率が高まってしまいます。
4. ケアが終われば、お年寄りにうがいをしてもらって終了です。誤嚥がないよう水分は少なめにしましょう。

口腔ケア用のスポンジ付ブラシというとサラヤさんの製品が有名です。上の画像は使用方法をわかりやすく書いたものでお借りしました。クリックしますとサラヤさんのHPにとびます。

胃や鼻からチューブなどを通して流動食を補給する経管栄養の方の場合も、丁寧な口腔ケアが必要です。経口摂取でないため、唾液の分泌が少なくなり、そのため口腔内で雑菌が繁殖しやすくなります。なので、経口摂取の場合よりもより丁寧なケアが必要になります。

2015年5月11日 | カテゴリー : 介護 | 投稿者 : staff