③ランニング時の下腿部の痛み診断:こむら返り

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前回はふくらはぎの肉離れでした。今回はこむら返りです。

こむら返りの”こむら”とは”誹”のことで、要するにふくらはぎのことです。したがって該当する筋肉はふくらはぎの誹腹筋にあたります。

こむら返りが起こる一つの理由は、この筋肉の緊張・弛緩のバランスを司るマグネシウムの不足です。ランニング中の発汗によって、体内のマグネシウムが流出するとマグネシウム不足に陥ります。したがって走行中はスポーツドリンクをよく摂取しましょう。

よく足がつるという人は、日頃からマグネシウムを含む食品をとりましょう。マグネシウムは枝豆、パセリ、きな粉、納豆、ごま、落花生、煮干し、いわし、あさり、ひじきなどに多く含まれています。

また寝不足、ストレッチ不足、冬場の寒さなども影響してきます。こむら返りが起こった日は暖かいお湯につかり、よくマッサージをしてください。その後のアイシングも大事です。

こむら返りは肉離れの前兆であることが多いので、甘くみないでしっかりとしたケアをしましょう。以上でランニング時の下腿部の痛み診断シリーズを終わります。

②ランニング時の下腿部の痛み診断:ふくらはぎ肉離れ

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前回はシンスプリントについてでした。今回はいわゆる「ふくらはぎの肉離れ」についてです。

ふくらはぎの筋肉とは下腿三頭筋のことで、誹腹筋とヒラメ筋のことを指します。起始部は腓腹筋が2頭になっており、全部で3頭となるため三頭筋と呼ばれています。

肉離れはこの誹腹筋の内側に発生しやすい症状です。筋繊維に断裂が走り、ビリッとした痛みが走ります。筋肉が収縮する寒い冬場や、筋肉に瞬間的に力をいれたときに起こり易い症状です。

ランナーに限らず、サッカー選手なども試合中によくハムストリングの故障を起こします。サッカー選手はボールを蹴るのに不自然な体勢や無理な姿勢で行うので、入念なストレッチや準備運動をしていても起こってしまうのです。その点、ほとんど同じフォームで脚を出すランニングとは負荷のかかり方が違ってきます。また試合期間が短く、筋肉の疲労がとれない状態から動いてしまうのも発症してしまう理由の一つです。

対処法は事前にしっかりとしたストレッチと準備運動、そして事後においてもこまめなアイシングが大事です。肉離れが起こってしまったらしばらくは温めてはいけません。長時間湯船に脚をつからせるのもNGです。

肉離れは治癒まで軽度でものでも2~3週間、重症だと2~3ヶ月間かかるケースもあります。くせになる前に、初期段階で十分な余裕を持って治しましょう。

次回はこむら返りです。

①ランニング時の下腿部の痛み診断:シンスプリント

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ランニング時の痛み診断シリーズ、今回は下腿部、つまりふくらはぎの部分の痛みについて紹介したいと思います。

”シンスプリント”とは英語で”Thin Splints”と表し、Thinは頸骨、Splintsは添え木を意味します。つまり頸骨に沿って生じる痛みということです。日本語では「頸骨過労性骨膜炎」になります。

自分の限界がまだわかっていない初心者ランナーや、過度に走りこんでいる本格ランナーに出る症状です。固い地盤の道路やうすい競技用のシューズを履いていても起こりやすくなります。

よく見られる症状は、前頸骨筋の広範囲と後頸骨筋下約3分の1に沿って発生する鈍痛です。前頸骨筋と後頸骨筋は骨膜に付随しているのですが、この二つの筋肉によって足首が動くようになっています。ランニング中、足首への衝撃によってこの筋肉が骨膜から離れる力が働きます。これが炎症を生み出すのです。

鈍い痛みはランナーには骨が痛んでいるような感覚でしょうが、実際は骨膜の炎症です。

対処法は痛みを感じたら安静にすることです。アイシングを行い炎症を抑えましょう。痛みがはれてきたら運動を再開しても良いですが、運動前でもアイシングをこまめに行いましょう。足首に負担がかかる坂道などのルートは回避しましょう。また過度なストライド走法もやめましょう。

次回はふくらはぎの肉離れです。

⑤ランニング時の足部の痛み:外反母趾

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外反母趾は足の親指が小指の方へ曲がり、親指の付け根の関節が「く」の字のように外側に飛び出し、靴を履くと、飛び出した部分が靴に当たって痛みが出たり、赤く腫れたりする症状です。ランナーに限らず足部の大きな疾患の一つです。

ハイヒールを頻繁に履く女性などに多く見られる症状ですが、最近は小学生の子供たちまで男女問わず増えているそうです。これは端的にいうと足部の筋力の低下が原因として挙げられます。

足底に空気を入れるなど最近の高性能なシューズは子供の足底の感覚を奪い、またインドアにこもる子供が増えたことによって、指先を使わず指の付け根を支点にして歩く子供たちが増えてきました。これが特に親指の変形を促してしまい、外反母趾が起こりやすくなっているのです。

外反母趾予防としては夏場はサンダルなどをはいてできるだけ地面を足指の先で掴むようにして歩きましょう。そうすることで足先の筋肉強化につながります。

外反母趾からくる痛みを我慢して走っていると、その影響は下半身のみならず上半身にも及びます。頭痛や肩こり、腰痛なども外反母趾からきていることがあるのです。

外反母趾の症状を持つランナーの方はまず外反母趾の是正に努めましょう。専門医に相談してみましょう。

外反母趾が重篤化すると外科的処置も必要になってきますが、必ずしも予後が良いとはいえないようです。歩行習慣から来る足の変形を治さないと、また再発してしまうケースが多いのです。

以上でランニング時の足部の痛みシリーズを終わります。

④ランニング時の足部の痛み:足関節外側靭帯損傷

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今回は足関節外側靭帯損傷(そくかんせつがいそくじんたいそんしょう)についてです。

外側靭帯とは、足関節の外くるぶしの下端についている3つの靭帯のことをいいます。それぞれ前距腓靭帯、踵腓靭帯(しょうひじんたい)、後距腓靭帯です。

いわゆるランニング中のねんざがこれにあたります。足部の痛みの約2割はこの症状だといわれるほど頻繁におきるケガです。

外側靭帯は3つの靭帯で構成されているといいましたが、ケガする場所はおもに前距腓靭帯になります。

なんどもねんざを繰り返していると、靭帯に損傷や微細な亀裂がおき、ひどい場合には骨折している可能性もありますので注意が必要です。

対処法はアイシングをして安静にすること。痛みがひくまではランニングを開始しない。2週間ぐらい様子を見て、もしそれでも痛みが残っているようなら、MRI検査をしにお医者さんにいってみてもらいましょう。

次回は外反母趾です。

③ランニング時の足部の痛み:距骨離断性骨軟骨炎

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今回は距骨離断性骨軟骨炎(きょこつりだんせいこつなんこつえん)です。非常に長い名前ですね。

足首の関節のねんざを繰り返してしまうことで、足首にある距骨と頸骨・緋骨がこすれあって接触面がギザギザになってしまい、痛みが生じしてしまう症状です。

月間200キロ以上走るようなヘビーランナーや、サッカーなど足首を良く使うスポーツ選手などにも見られる症状です。またトラックやトレイルを行っている本格的なランナーにも起こりやすい症状です。

痛みが慢性化してひどくなると、正座やしゃがむことができなくなります。

症状が進むと、接触面の骨がはがれネズミ化したりして、足首が動かないロックした状態になることもあります。そうなると外科的処置も必要となります。痛みが慢性化し重篤化する前に、適切なケアをしたいものです。

まずは安静にして炎症を抑えること。フォームを見直して過分なストライド走法になっていないか、足首の柔軟性は十分かを確認しましょう。

次回は足関節外側靭帯損傷です。

②ランニング時の足部の痛み:足底筋膜炎

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前回はアキレス腱炎でしたが、今回は足底筋膜炎です。足底筋膜炎とよばれるように要するに足裏が痛む症状のことです。

足底筋膜とはかかとの足裏部分から親指の付け根に至る足裏のアーチ状の部分の筋膜のことです。

足底筋膜炎の典型的な症状は、朝起きたときのベットからでて歩き出したときの一歩目が痛むということです。これはアーチの筋繊維に微細な亀裂が入った状態が睡眠中に固まってしまい、動いたときにそれがほぐされて痛みを発症するからです。

筋膜炎の原因は、走りすぎ、土踏まずのアーチの上下、偏平足、肥満などが原因となります。

ランニングの際に履くシューズが合ってないことも原因となります。その場合はシューズを変えたり、インソールを工夫したりして履く必要が出てきます。レース用の底の薄いシューズはこの場合あまりよろしくありません。

また炎症だからといってアイシングをするのは逆効果になることが多いようです。筋肉は冷やすと固まります。固まると動いたときに裂傷がひどくなり痛みが慢性化します。お風呂などで温めることで筋肉の血行が良くなり、柔らかくなります。

次回は距骨離断性骨軟骨炎です。

①ランニング時の足部の痛み:アキレス腱炎

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今回はランニング時に生じる膝、股関節の痛みシリーズに続く、ふくらはぎから下の部分のいわゆる”足部”といわれる部分についての痛みをシリーズにして紹介します。

アキレス腱炎はその名のとおりアキレス腱に微細な亀裂が入り、それが炎症を生んで痛み出す症状のことです。アキレス腱とはふくらはぎである下腿三頭筋とかかとをつなぐ腱のことです。

アキレス腱炎はよく走るランナーに頻繁に起こるオーバーユース症候群の一種であり、スポーツ障害として一般的なものです。とはいえ起こりやすい年齢は中高年のランナーになります。

下腿三頭筋とその下のヒラメ筋のストレッチ不足も主な原因の一つです。アキレス腱炎についてはしっかりとした事前のストレッチや事後のアイシングを行えば、まず予防は可能な症状であります。

アキレス腱炎の段階でしっかりと休息をとりケアしてあげないと、アキレス腱断裂やハムストリングの肉離れにもつながりかねません。またアキレス腱はパラテノンという薄い膜でおおわれていますが、この部分に炎症を生じた場合をアキレス腱周囲炎と呼び、アキレス腱炎と伴に併発しやすい症状です。

O脚の人やアップダウンの激しい坂道を好んでランニングする方にもよく発生します。テーピングで補強してアイシングでケアしてあげてください。また靴が本当に自分の足とあっているかについても確認が必要です。

次回は足裏の痛み、足底筋膜炎です。

③ランニング時の股関節の痛み:恥骨結合炎

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前回は腸腰筋腱炎でしたが、今回は恥骨結合炎です。

恥骨結合炎というと”グロインペイン”という別称で知られていると思います。腸腰筋腱炎も実はグロインペインに分類されるのですが、恥骨結合炎は元サッカー日本代表選手だった中田英寿さんが罹患されたので有名になりました。

恥骨は骨盤の一部であり、骨盤の前面、急所の後ろに位置する骨のことです。そして左右の骨盤をくっつけている軟骨の部分を恥骨結合面といいます。恥骨結合は、軟骨のみならず上恥骨靭帯、恥骨弓靭帯も付随しており、ある程度の動きを許容してくれるようになっています。

この恥骨結合に損傷と炎症が起こり、痛みが発症することを恥骨結合炎といいます。当該部を酷使し、急な動きを繰り返すサッカー、野球、ラクビー、陸上選手や出産をひかえた妊婦さんにも発症しやすいといわれています。

この結合炎は治りにくく、中田選手引退の遠因にもなりました。また予防も発生メカニズムがはっきりとは解明されていないため難しいとされています。ただし有効なのはストレッチだといわれています。また骨盤のゆがみを矯正することも大切です。

以上で股関節周りの痛みについての紹介を終わります。

②ランニング時の股関節の痛み:腸腰筋腱炎

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前回は変形性股関節症でした。今回は腸腰筋腱炎です。

腸腰筋は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉のことです。腸腰筋は大腰筋と腸骨筋を合わせたものをいいます。腸腰筋は身体を支える筋肉であるとともに、走ったり歩いたりする際に、地面を後ろ足で蹴り上げる動作にとって不可欠な筋肉でもあります。

腸腰筋は30代を過ぎると序序に衰えだし、ここが弱くなるとちょっとした段差でもつまづきやすくなります。また、下腹部がでておなかぽっこり体型になってしまいますし、お尻も垂れていってしまいます。

脚を後ろに蹴り上げたときや、それを戻そうとしたときに股関節周りに痛みを感じるとすれば、腸腰筋腱炎の可能性が高いです。原因は、脚が後ろに流れた際に腸腰筋が引き伸ばされ、筋繊維に微細な部分断裂などが起きるからです。

後ろ足が流れるのは背筋、腹筋、大腿四頭筋の筋力が弱いからです。またここら辺の筋力が弱いと骨盤が後傾して、いわゆる猫背のような姿勢になってしまいます。骨盤が後傾しながら走ると、身体が前かがみになり、代わりに脚が後ろに流れるような走り方になってしまいます。これが腸腰筋に負担をかけるのです。

有効なストレッチは以下の動画のようなものです。野球選手やサッカー選手、マラソン選手などがよくやっていますね。

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次回は恥骨結合炎です。