乳幼児にはちみつを摂取させてはダメな理由

先日、乳児が乳児ボツリヌス症で亡くなったという悲しいニュースがありました。生後1か月ほどではちみつ入りのミルクを摂取してしまったようです。

はちみつというと”くまのぷーさん”をイメージする日本人は多いと思いますが、原則として乳児には与えてはいけない代表的な食材の一つです。というのは乳児の段階では腸内環境が未発達のため、はちみつに感染している可能性のあるボツリヌス菌の毒素を中和してくれる腸内細菌が育っていないからです。

このボツリヌス菌は自然界に存在する毒性のある菌の中では最強に近く、軍事利用も検討されているような危険な菌です。神経伝達機構を妨害遮断して呼吸不全や麻痺などを起こします。具体的には脳からの指令を筋肉に伝えるための物質”アセチルコリン”のはたらきを抑制する作用があるのです。

昔から薬にも毒にもなるというように、薬と毒とは紙一重です。このように毒素の強いボツリヌス菌も様々な治療に使用されています。例えば顔面やまぶたの痙攣などにボツリヌス菌を注入して痙攣を止めるというような使われ方です。これは神経伝達の過剰な活動をボツリヌス菌が持つ神経伝達遮断機能を利用して抑えるためです。

おそらくボツリヌス菌の有効活用で最も有名なのは美容整形の「ボトックス注射」です。ボトックスの別称は「A型ボツリヌス毒素」であり、先ほどの治療用の注射もボトックス注射ということになります。現代は小顔であることが一般的に美形とされていますが、ボトックスを顔に打つことで顔の筋肉が収縮して引き締まって見えるからです。

このようにボツリヌス菌はその強い毒性ゆえにいろいろな分野で活用されている、ある意味人間に身近な存在です。ですのでボツリヌス菌についての最低限の知識を得て、同じような事故を招くようなことがないように啓蒙していく必要があると思います。

乳児に食べさせてはいけないものはこのほか、カフェイン、もち、こんにゃくゼリー、ピーナッツ、そば、いか、オイル製品などがあります。赤ちゃんは塩分が多分に含まれている缶詰食品は苦手でNGです。

前回缶詰事情について書きましたが、ボツリヌス菌は缶詰を汚染することもあります。最近の缶詰も日々技術進化していますので、まず起こり得ないと思いますが、保存環境が劣悪だと感染する場合もありますから衛生状態には気を付けてほしいと思います。

離乳食についてはネット上にたくさんの情報がありますがすべてが正しいわけではなく、様々な情報を自分で比較検討しながら、わからないときは保健所や小児科医のほうでも教えてくれるので聞いてみるのもよいと思います。

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