涙もろくなるのは脳老化のシグナル!?

壮年老年になると涙もろくなったと実感される方は多いと思います。ちょっとしたドラマや映画をみて、何となく物憂げになったり、昔なら泣くようなことはなかったなんてことのないシーンにもジーンときたりしたりして、年齢を感じることもあるかもしれません。

そのような感情はどこからくるのでしょうか。ひとつには過去の思い出や記憶からくる去就的な感情の発露ともいえるかもしれませんが、実は単純に脳の老化現象からであるかもしれません。

感情というのは脳の中に存在します。特に脳のなかでも古くから存在する大脳辺縁系にある「偏桃体」と言われる部分が、通俗的には”動物の本能”と呼ばれる諸機能をつかさどっているのです。この部分は怒ったり、泣いたり、外界からの刺激に対して感情を反応として送り返す機能を持っています。

この偏桃体は感情以外にも、例えば性衝動や食欲にも関係しています。なので偏桃体は動物としての生命維持のためになくてはならないものなのです。

そのむき出しの感情をコントロールしているのが、脳の大脳皮質内にある「前頭葉」です。偏桃体が感情をつかさどっているとしたら、前頭葉は理性をつかさどっているといってもよいのです。

この偏桃体と前頭葉は人間の人格を形成する対となる関係にありますが、偏桃体はどの哺乳類にも存在する進化的に古い部位に当たるのに対して、前頭葉はヒトにのみといってよいほど肥大した進化的にも新しい部位になります。

老化とともに前頭葉は衰えていくのに対して、偏桃体は比較的丈夫で衰えにくいといわれています。ですので脳の老化はまず前頭葉から始まるわけです。前頭葉が衰えても偏桃体は働き続けるので、これが高齢者の感情の起伏の激しさにつながっていくわけです。

最近ニュースでもすぐに”きれる”老人などが問題となっていますが、やはり脳の老化ともいえる症状が出ている可能性があります。前頭葉の働きが悪くなると、感情の制御ができにくくなり、何でもないことで怒ったり、涙もろくなったりして、感情の変動が激しくなるのです。

それでは脳の老化を食い止め、前頭葉の働きをよくするためにはどうしたらよいのでしょうか。それにはまずは運動です。特にランニングや散歩、など足を使った有酸素運動が効果的です。またサッカーやフットサルなどの頭を使いながらの運動もより効果的だといわれています。

また将棋や囲碁、一部のテレビゲームなども脳の老化防止に役立つといわれています。その他手を動かす趣味、ピアノやゲートボール、プラモデル製作なども脳の老化防止に役立ちます。

このほか前頭葉はコミュニケーション能力をつかさどる部位でもあるともいわれており、友人や知人、家族との毎日の楽しいおしゃべりが前頭葉の働きを維持してくれるのです。ですので多くの友人知人との気兼ねない会話が脳の老化防止につながるのです。

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