Jリーグ:クラブ分布にみられるリーグ格差

Jリーグは今はオフシーズンに入っています。昨シーズンは2期制の導入や鹿島アントラーズの世界的な躍進などサッカーファンにとっては刺激的な出来事がいくつかありましたね。

さてそんなJリーグですが、J3まで拡張されて全国にJのクラブが分散して存在するようになってきました。J1クラブが18クラブ、J2が22クラブ、そしてJ3が16クラブ、全部で53クラブまであります。この数は伝統のある本場ヨーロッパではともかくアジア地域では出色の規模です。

その分布図ですがJ1からJ2、J3とみていくと明らかな傾向が見て取れます。それはJ1のクラブが首都圏を中心に関東や関西など人口密集地に偏在しているのに対して、J2、J3に行くごとに人口密度の低い地方クラブが増えていっていることです。

例えばJ3では南はFC琉球など沖縄や鹿児島のクラブもありますし、北はグルージャ盛岡やブラウブリッツ秋田など東北地方にもいくつかクラブがあります。

これは人口が集中しているエリアほどスポンサーや観客がつきやすき営業利益があがり、戦力の強化も進み、最終的には成績がよくなるのでレベルの高いリーグにそのようなクラブが残りやすいということが理由でしょう。

ここで問題となってくるのが、選手の移動費です。全国で試合が行われるホーム&アウェー方式のJリーグでは、クラブは選手たちを隔週で遠征させなければなりません。その交通費やホテル代は馬鹿になりません。

特に日本の空を中心とした交通網は基本東京を中心に連結しているので、地方間の移動時間やコストは思う以上にかかってしまいます。なので経営規模の小さな地方クラブには首都圏クラブ以上に大きな負担がかかってしまうのです。

一つの解決法はJ3クラブへのリーグからの補助です。次はリーグ戦を隣接した地方ブロックに分けて移動距離と交通費を削減する方法です。広大な国土を持つアメリカのメジャーリーグではこの方式をとっていますよね。

ただし先ほども言いましたように、日本の交通網は東京を中心としているために、単純に隣接する都道府県ごとにブロックを作ってもそれがそのまま交通費の削減につながるかというと疑問なところもあります。

この種のブロック案はかつてはJ1でも議論されたことがありました。Jリーグ創生期にはオールスター戦を東西に分けてやっていたこともありましたね。また若年層の下部リーグであるプリンスリーグではこのような地域ブロックごとのリーグ戦をやっていますので、まったく突飛な案だというわけでもないのです。

とはいえやはりリーグからの補助金のほうがわかりやすいですし、クラブとしても対戦相手をブロックに限定するよりもやりがいや宣伝効果も高いと思います。

ブロックをつくってしまうとどうしてもブロック間で戦力やレベルに偏りがでてしまい、公平性の観点からも調整が難しくなります。また対戦相手も限定されてしまい、ファンに”飽き”がでて新鮮味が失われてしまいます。

現状J3の拡大は、クラブ空白地域の穴埋め的要素が強く、必然経営体力の小さなクラブになっています。人口減少期にある日本においてリーグ全体で小さな地方クラブを支えていく気概がなければ、Jリーグの拡大は絵に書いた餅になってしまうでしょう。

小さな地方クラブでも無理をせずに存続していける環境整備が拡大策とともに求められていると思います。あまり性急なクラブ数拡大策は、経営体力のないクラブを生み出してしまい、破綻などしてしまうとリーグ全体のイメージも落としてしまうのでよろしくありません。

また近年ACLで日本のクラブは中国や韓国のクラブに負けてしまうことが多く、優勝クラブが出ていません。去年鹿島アントラーズが開催国枠でクラブワールドカップに出場して決勝まで進んでレアルマドリードと接戦を演じて大いに世界にJリーグのレベルの高さをアピールしてくれましたが、やはりアジアチャンピオンとして出場したいものです。

近年JのクラブがACLで振るわない理由として、個人的には急激にクラブ数を増やしてしまい、クラブ単位での戦力密度が落ちてしまっていることが大きいのではないかと思っています。外国人枠も基本的に創生期と同じ人数ですから、一定のレベルの日本人選手の供給量が増えていないとクラブ数が増えるとクラブ単位の戦力はどうしても落ちて平準化します。

ただし鹿島のように小さな町のクラブがJリーグのトップレベルにあり、世界の強豪クラブと互角に戦えるという実績はJリーグが目指してきた理想のクラブ像の体現者といえると思います。鹿島アントラーズの成功は地方の新規のクラブに大きな夢と希望を与えてくれていると思います。

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