インフルエンザが流行中です

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インフルエンザが流行しているようです(インフルエンザ流行、昨年より一か月早く)。和歌山県では去年より一か月早くインフルエンザ流行の警報をだしています。

インフルエンザの特徴は風邪と比較すればよくわかります。風邪が一年中引く可能性があるのに対して、インフルエンザは主に冬季にしか流行しません。したがって基本的なインフルエンザ対策は、インフルエンザが流行する冬の直前ぐらいにワクチンの接種を受けることになります。

ただしインフルエンザはインフルエンザ・ウィルスによって伝染、発症するのですが、毎年型がちがったり、同じ型でも微妙に変化してしまうので、ワクチンもその都度それらを予測しながら開発しなければなりません。ここがインフルエンザ対策の難しいところです。

インフルエンザが風邪より怖いのは高熱を発症することです。体温が38度を超えると同時にその上昇も急激です。特にお年寄りや幼児への影響は深刻です。幼児は感染経験が少ないため、感染してしまうと重症化しやすいのです。またお年寄りは感染経験はあっても体力がないために同様に重症化します。ですので事前にワクチン接種を受けて体内に抗体を作っておくことが必要になるのです。

ワクチン接種については、その効果への疑問や副作用の不安も含めて、様々な議論が起きているようです。一番の問題は皮肉なことではありますが、予防ワクチンの効果が出すぎて、現代の日本人がその恩恵について体感できていないことのように思えます。

一番上のインフォグラフィクスは人類を悩ませてきた伝染病のワクチン開発前、開発後のアメリカでの罹患率の変化です。左の注射器の数字が開発前の罹患者数、右の数字が開発後の罹患者数、真ん中のパーセンテージが減少率を表しています。

上からジフテリア(diphtheria)、インフルエンザ(influenza)、肝炎A(hepatitisA)、肝炎B(hepatitisB)、麻疹(measles)、おたふくかぜ(mumps)、百日咳(pertussis)、肺炎連鎖球菌(pneumococcal disease)、ポリオ(polio)、風疹(rubella)、先天性風疹(congenital rubella)、天然痘(small pox)、破傷風(tetanus)、水疱瘡(varicella)ということになります。

いずれもワクチンが開発される前は、人類にとって文字通りの不治の病であり恐怖の伝染病でした。しかし例えばジフテリア、ポリオ、天然痘などは罹患者数は0人となっています。インフルエンザも99%の減少率です。

大阪といえば適塾を開いた緒方洪庵先生が有名ですよね。緒方先生は天然痘治療のために邁進して、日本の近代医学の父とも呼ばれています。天然痘の種痘、つまり今のワクチンを市民に提供するのは一苦労だったようです。

牛痘を受ければ牛になるということがまことしなやかに信じられていました。また西洋医学を広めることに関しては幕府の御典医から目の敵にもされたり、攘夷の武士からも西洋かぶれの医者として敵視されてまさに命がけの医療行為でした。

ここら辺の経緯は手塚治虫の漫画「陽だまりの樹」や司馬遼太郎の小説「花神」、最近ではドラマにもなった村上もとかの「JIN~仁」などに詳しいです。

ワクチン接種に疑問や不安を感じられた時には、そういった先人たちの努力と歴史の積み重ねで現在の高度な衛生環境があることに思いをはせてほしいと思います。

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