避難生活ではエコノミー症候群に注意して

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熊本を中心に九州で余震が続いております。避難生活を余儀なくされている人が大勢いるそうですが、体育館や車中で寝泊りされる場合は気をつけていただきたいことがあります。

それは通称、”エコノミー症候群”といわれるものです。正式には静脈血栓塞栓症(そくせんしょう)と呼びます。これは足や腕の静脈内に血栓が生じて、血流をふさいで呼吸困難などを引き起こす症状のことです。

航空機のエコノミークラスは席が狭く、身体を長時間身動きの取れない状態ですごしてしまうために、血栓が生じやすい状態に置かれることから、この通称ができたのです。

エコノミー症候群というと、サッカー元日本代表選手であった高原直泰(なおひろ)選手を思い出します。高原選手はドイツのブンデスリーガに所属していたので、日本で代表戦があるたびに日本とドイツを飛行機で往復する生活でした。

ただし高原選手はエコノミーではなくビジネスクラスで移動していたので、エコノミーだから必ず発症するというわけでもなく、ビジネスだからといって発症しないわけではないのです。

航空機内は一般的に乾燥しており脱水症状を起こしやすく、また気圧も低くなっていますので身体が酸素を取り込もうとして血圧が高くなるなど、その相乗効果で血栓が生じやすい環境にあることは頭に入れておく必要があります。

長距離バスで移動される場合もエコノミー症候群になるのではないかといわれていますが、実はバスにおいてはそれほど発生しないともみられており、医療関係者の間ではエコノミー症候群ではなくロングフライト症候群に名前を変えるべきだという話もあります。

これはやはり航空機内という高度の高い独特の環境が血栓を生じやすくさせていると考えるのが自然だと思います。

とはいえ災害における避難生活においては、普段の生活から突然心の準備もなく避難生活を余儀なくされるという意味で大きなストレスがかかってくるわけで、エコノミー症候群を発症しやすい環境にあることは間違いないでしょう。

実際、2004年に起きた中越地震においては、車中泊をしていてそれが原因でエコノミー症候群を発症して死亡したとみられるケースが相次いだといいます。車中泊の長期化、震災によるストレス、栄養が偏った食事などが複合的に重なって重症化したのではないかと思われます。

それでは避難生活においてエコノミー症候群を避けるにはどうすればよいでしょうか。それは軽い体操でもいいので、頻繁に身体を動かすことです。

身体を動かすにはやはりラジオ体操、そして適度な散歩が効果的です。朝起きたらまずラジオ体操、そして日中避難所で動かないでいるのではなく、散歩をしましょう。エコノミー症候群の予防には特に下肢の運動が大切なのです。

また脱水を引き起こさないよう、十分な水分補給が大切です。アルコールや緑茶、コーヒーは利尿作用があるので水そのままを飲むのがベターです。そしてできれば避難所の堅い床に雑魚寝するのではなく、簡易ベットで寝ることができればベターです。

東北、九州と大きな地震に見舞われており、関西や大阪なども人事ではないと感じます。もしものときはエコノミー症候群にならないよう予防に努めてほしいと思います。

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