”情けは人の為ならず”は科学的に実証された!?

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「情けは人のためにならず」ということわざがあります。最近は誤解されて伝わっていますが、もともとの意味は、人に親切にすればその人のためになるのみならず、巡り巡って自分にその徳が返ってくるというものです。

はじめにこの言葉が日本史上で使われたのは室町後期の謡曲「葵上」の、

「思い知らずや世の中の情けはひとのためならず、我人の為つらければ、必ず身にも報うなり」

といわれています。善意は善果を、悪意は悪果が巡って本人に帰ってくるという意味は、江戸時代にニュアンスとして含まれたようですね。

さてそんな仏教的な輪廻にまつわることわざですが、実は科学的にも人に情けを与える、つまり親切にすることは、その親切にした本人へとても良い影響を与えることがわかってきました。

アメリカの大学の研究によれば普段から他人に親切にしている人は、自分がストレス状態に陥った時でもあまり他人に対して貢献していない人に比べて、落ち込み具合が少なかったことがわかりました。

つまり利他的な行為を習慣にしている人は、自分が落ち込んだ時でもそれからの回復がそうでない人と比較して早いということがいえるということです。

オーストリアの心理学者で有名なアルフレッド=アドラーは数々の名言を残していますが、こうもいっています。

苦しみから抜け出す方法はたった一つ。他の人を喜ばせることだ。「自分に何ができるか」を考え、それを実行すればよい。

自分だけでなく、仲間の利益を大切にすること。受け取るよりも多く、相手に与えること。幸福になる唯一の道である。

東洋と西洋において同じような格言が残されているのはとても興味深いことだと思います。なぜ利他行為にストレス低減効果があるのか、色々考えられますが、人に親切にする行為は自分の存在意義を再確認して客観視する契機になるからかもしれません。

人は余裕があるときは他人を思いやることもできますが、自分が落ち込んでいるときにそのような行為をとることはなかなかできることではありません。しかし日頃からちょっとした気遣いや親切を習慣にしていれば、自分が落ち込むような強いストレス状態に置かれた時でも、そこからの回復は早くなるのです。

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