アスリートにとって理想の食事とはどのようなものか

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大阪国際女子マラソンにおいて福士加代子選手が見事にトップで走り切り、リオオリンピックの選考を勝ち取りました。(写真はワコール女子陸上部のサイトから拝借しました)

福士さんというと大阪マラソンは鬼門で、何度も苦杯を飲まされてきたレースなので喜びもひとしおだと思います。

さてそんな福士さんですが、もともとはマラソンより距離の短いトラック競技の選手でした。そのため福士選手は日本人選手には珍しくスピードのある選手でしたが、長い距離のマラソンにおいては後半に失速してしまうという欠陥も抱えていました。特に30キロを過ぎたあたりからの失速は顕著なものでした。

30キロというのはマラソンにおいてターニングポイントだといわれています。通称、”30キロの壁”といわれています。といいますのは人間はエネルギーの消費を二つの経路に依存しています。一つは即効性のある体内に蓄えられたグリコーゲンをエネルギー供給源として使用するのですが、この貯蓄が30キロを超えたあたりから不足してくるのです。

その後は基本体についた脂肪を分解しながらエネルギーに変えて走っていきます。

福士さんはこの30キロの壁がなかなか乗り越えられなかったそうですが、専門の栄養士さんの指導のもと、食べる量、とくに炭水化物を増やすことで最後までエネルギーを切らさずに走り切れるようになったそうです。炭水化物の摂取量を増やすことで皮下脂肪を増やし、エネルギーを体内にため込むことで、マラソン終盤のエネルギー不足に対応したというわけです。普段の3倍近い量をとるようにしたというのですからかなりつらい経験だったようです。

炭水化物の量を増やして体力を強化したスポーツ選手にはテニスの錦織選手がいます。錦織選手も栄養士さんの助言に従って、一日の食事の回数を7~8回まで増やして、特に炭水化物の摂取量を増やすことで、体力が飛躍的に向上したそうです。

逆に炭水化物の摂取量を減らして調子を上げた選手に同じくテニスのジョコビッチ選手がいます。ジョコビッチ選手の食事哲学については以前にも記事(ジョコビッチ選手の食事哲学)にしましたが、ジョコビッチ選手はグルテンと呼ばれる小麦粉の植物性のたんぱく質へのアレルギーをもっていました。そのため小麦粉でつくられるパン類やケーキやピザなどの摂取を絶ち、またそれらに多く含まれる炭水化物などの糖類を絶つことで体重を減らして適正体重にして調子を上げていったといいます。

その意味ではアスリートにとって炭水化物を多くとるのか減らすのかは、まさに個人の体質によるところが大きいといえると思います。ジョコビッチ選手のようなMEC食が合う選手もいれば、逆にそのことが体力不足を招いてしまう選手もいることでしょう。ですのでどの選手にもあった単一の理想の食事というものはありえないと思います。

自分の体質や体調、置かれたレベルと自分が理想とする選手像とよく相談しながら試行錯誤のなかで個人個人にあった食事内容を決めていくことが大切だと思います。

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