昨日何を食べたのか思い出せないときは

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ドクター中松さんというと、奇想天外な発明家として知られています。また独自の健康法の開発者としても知られています。そのなかでもイグノーベル賞にも輝いた研究として、40年間毎日1日も欠かさずに自分の食事の写真をとって記録するというものがあります。

いまだと食事のたびにスマホで写真をとるというのは当たり前になっているようですが、中松さんはそのずっと昔から写真を取られてきたようです。

これは自分の食べたものを記録し、その後の健康状態をチェックすることで、身体の好調度から良い食材と悪い食材を仕分けることを目的としたものです。その結果判明した健康に良いと中松さんが判断された食品を、中松さんは「健脳長寿食品」と呼んでいます。

栄養学的にどこまで中松さんの知見が正しいのかどうかについては、よくわかりませんが、大事なことは自分の行動を記録して体調を観察するという一連の行為だと思います。

よく物忘れについて、”昨日食べたものが思い出せない”というのがありますが、これ自体は問題ありません。認知症が疑われるのは、”食べたこと自体”を思い出せない場合です。

人間の脳はよくできていまして、日常の行為がルーティン化すると、脳はそのことを食事というフォルダーにいれてしまってその個々の食事内容については忘れてしまい、他のことに記憶の容量を使います。ですので、昨日食べた食事について忘れてしまうのは、脳の記憶処理の効率化の結果であって、脳の劣化というわけではありません。

ただし物忘れについては、やはり年齢相応の老化現象というものはあると思います。中松さん自身も、毎日の食事内容を自分の頭で記憶するより、写真や電子媒体で記録することで、ほかの事に頭の容量を使いたいとの判断だと思います。

食事内容を写真で振り返るというのは、脳の健康にとっても大切なことです。食事は自分の味覚と分かちがたく結びついているため、食事の写真をみることで、「ああそういえば昨日はこれを食べたなあ」と味覚とともに想い出すわけです。これは認知症対策に効果的だといわれている”回想法”の応用ですね。

回想法は、以前にも書きましたが(認知症予防にカラオケは有効!?)、過去の気持ちの良かった思い出を語ってもらうことで、感情を安定させ、脳にもよい刺激を与えるというものです。長く続けるほど効果があるといわれていますので、過去の食事の写真をみることは、回想法のなかでおそらく最も簡便で長く続けていける方法だと思います。

しかしおそらく中松さんが頭脳明晰でいられるのは、いろんなことに興味をもち、探求していこうとする好奇心そのものだと思われます。残念ながら最近はすこし体調を崩されているようですが、中松さんの独特の健康法の裏にある旺盛な好奇心について見習いたいものです。

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