様々な食事法、どれを採用すべき!?

食べる

流行の食事法(diet)は、日本だけではなく世界のどこかでめまぐるしく生まれ、そしてすぐに廃れていってしまいます。その都度振り回されてしまう方も多いと思います。

マクロビオティック、糖質ダイエット、バナナダイエット、デトックス、オーガニック, ベジタリアニズム、断食、1日1食, 1日5食などなど、どれも一見魅力的にみえる食事法です。

ただしその中には互いに矛盾するものもあって、どちらが正しいのか迷ってしまうこともあります。このような日々生まれては喧伝される食事法について、どう受け止めればよいのでしょうか。今回はそれについて考えてみます。

そもそも栄養学的には食事法の原則は多くはありませんし、本当に単純なものです。

  1. 栄養素は少ないよりも多いほうが良い
  2. カロリーは多すぎず少なすぎず、適量を摂取する

これだけです。しかしこういってしまっては話が終わってしまいます(笑。人は基本、自分の食べたいものだけを満足するまで食べたいという欲求があります。その欲求を抑えて健康でいるために、色々な食事法というのは開発されているのでしょう。

それでも、様々な食事法が編み出されて廃れていく最大の理由は、現代日本における食の多様化と個人化にあると思います。

かつての日本人はその時代ごとに、食べるものが大体決まっていました。そのため食による影響は、日本人全体に共通したもので、それゆえ”国民病”となるものも多かったのです。

そのなかでも代表的なのは「脚気」でしょう。脚気はビタミンB1の欠乏から、心不全と末梢神経障害を引き起こす病気です。

脚気はいまはほとんどなくなりましたが、明治時代には本当に良く流行った病気でした。精米された白米をたべる食文化というのは、江戸に住む人たちだけのものだったのですが、それが明治時代に入ると日本全国に広まり、結果、”江戸患い”といわれた脚気が全国区のものとなったのです。

このように、国民の食文化が均質的な時代には、そこから派生してくる病気は国民にとって一般的なものでもあったわけですが、そのための対処法も、ある意味単純で共通した処方箋一つですんだわけです。しかし、現在の食文化はもっと多様で分散的です。したがって、そこから派生してくる身体的症状も、様々で個人独自のものになります。

現代日本では、中高年男性のメタボが問題になっているのと同時に、たとえば若い女性などは戦後すぐの食糧不足の時代よりも栄養が不足しているというデータもありますし、高齢女性の間でも、主にたんぱく質が不足する新型栄養失調に陥っている人が多いといいます。

したがって、江戸や明治の時代のように、日本人にとって最適な食事法とは何かという疑問に、一つの答えだけでは間に合わなくなってきているのです。

これが多くの食事法が発案され、相互に矛盾するような方法も共存しているようにみえる理由の一つだと思います。一つ一つの方法は、偏食からくる身体的症状を改善してくれる可能性を秘めているのですが(もちろん栄養学的に明らかにおかしいと思われるものもありますが)、それが万人の症状を改善してくれる食事法である必然性はどこにもないのです。

もともと素食の人に、肥満防止の食事法を奨めても意味はありませんし、肥満の人に栄養満点の食事法を奨めてももちろんよくありません。こういうと当たり前のように感じられますが、現代はマーケティングが発達して、ある特定の人にしか通用しない食事法が、あたかも万人にあてはまるような気持ちにさせる”宣伝文句”になってしまいがちです。

大事なことは、まず自分の日々の食事法がどのようなものかについて記録をとり、栄養学的な把握をして、それに伴う自分の健康状態を把握した上で、適切な食事法を自ら選択する意識だと思います。

ある食事法が流行っていたとしても、それは本当に自分にとって有用なものなのか、一呼吸おいて吟味する余裕を持つことが大切です。

*イラストはPiyotasoさまからいただきました

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