日本料理を特徴づけるうまみ成分とは!?

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”うまみ”成分というのは世界の料理のなかでも和食だけの特徴です。うまみはずいぶん前から欧米でも紹介されていましたが、「味がない」という理由でそれほど注目されてはきませんでした。欧米ではソースやオイルなどの濃い味付けするため、出汁(だし)をとるという概念自体があまり理解されなかったようです。

それが昨今の健康志向の高まりから、低カロリーといわれる日本料理が注目を集める中で、それを特徴付けるうまみ成分に俄然注目が集まってきたのです。

味覚には甘味、酸味、苦味、塩味に加えて旨味があります。この旨味を最初に”発見”したのは池田菊苗という東大の先生でした。それは昆布の出汁から抽出したグルタミン酸でした。さらに小玉新太郎が鰹節から抽出したイノシン酸もうま味成分であることがわかり、昆布と鰹節が旨味成分を有する2大食材となったのです。

旨味とはアミノ酸であり、現在では池田が命名した”umami”が世界でも使われる言葉となっています。

日本でこの旨味を使った料理法が発達した理由としては、周りを海で囲まれた島国であったことと、獣肉食を忌避した文化風土、それに欧米に比較して”軟らかい”といわれる軟水の存在があるといいます。

軟水というのは硬水と比較して、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が少ない水のことです。ミネラル分の違いによって出汁の出やすさに違いがあり、軟水のほうが出汁をとるのに適しているという特徴があります。

そしてこの違いは東日本と西日本の出汁の違いにも通じます。西のほうが軟水の度合いが高く、そのため軟水に適している昆布で出汁をとることが多いのに対して、東ではかつお節で出汁をとることが一般的です。

出汁昆布として使われるのは北海道産の4種類の昆布です。それぞれ利尻昆布、羅臼昆布、真昆布、そして日高昆布です。京都では利尻昆布がよく吸い物に使用され、繊細な味として好まれています。これに対して羅臼昆布は濃厚な旨味成分があるため、お吸い物としては大味で甘すぎるためにあまり使われていません。

関西でも京都と大阪では違いがあります。どちらも薄味が好みですが、大阪ではよりはっきりとしたコクのある羅臼昆布が使われています。このように一口で出汁といっても、その地域の水や好みに合った食材が、様々な形で出汁に使われているのです。

京都料亭の村田吉弘料理長がおっしゃっていたのは、世界の料理はオイル(油)で味をつくってきたが、日本料理は旨味で料理を作ってきたということです。また世界が健康志向になっていくなかで、世界の料理は旨味を中心とした日本料理に近づいていくとも予測されています。

和食は先日書きましたように、血糖値を上下させない料理の代表です。塩分過多だといわれることもありますが、しっかりと出汁の利いた料理であれば塩分を使わずとも、旨味を感じることができるはずです。食生活が欧米化して濃い脂の味付けに慣れてしまっている日本人ですが、もういちど自分たちの食文化を見直してほしいですね。

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