体重を減らす前にまず血糖値の変動を抑えましょう

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最近は肥満について考えることは、すなわち血糖値について考えることだということが理解されてきています。そこで血糖値について、幾つかの基本的な知識を紹介したいと思います。

まず血糖値が変動するプロセスについて説明します。食物を口から摂取すると、食べ物の中のブドウ糖が糖分として血中に放出されます。このときすい臓からインシュリン分泌されて、肝臓からの糖の輩出を抑制すると伴に、肝臓が血中の糖を吸収するのを助けます。その際、血中の糖の約半分程度は肝臓に取り込まれるようになっています。結果、血中の糖の値が下がるのです。

インシュリンは血糖値を下げる働きだけではなく、低血糖の場合はすい臓に蓄えられたグリコーゲンから糖を合成して血中に放出するという、血糖値を上げる働きもしています。つまり、すい臓はインシュリンを使って血糖値をある一定の範囲内に抑える働きをしているのです。

一番上の画像は体重が標準の人と、肥満型の人の場合の血糖値の推移を概念的にみたものです。青色が標準体重の人、赤色が肥満型の人の血糖値の推移です。青色の人は血糖値による変動がすくなく、かつ長期的にみても、血糖値の水準が低位で安定しているということが見て取れます。

これに対して赤色の肥満型の血糖値の推移は、短期的にも青色よりも変動が大きく、かつ長期的に見てもその水準が上方向に推移してます。つまり肥満型の人は、血糖値を大きく変動させるような食事を繰り返すことで、血糖値の長期的な上昇を招く食事の仕方をしていることになります。

それではなぜ血糖値が大きく変動するような食事をしていると、血糖値が高止まりをするのでしょうか。

それはすい臓がインシュリンの度重なる分泌に疲れてしまうからです。すい臓がインシュリン分泌に疲れ始めると、インシュリンが出にくくなり、かつその効きも悪くなります。前者を「分泌不全」と呼び、後者を「抵抗性」の問題と呼びます。インシュリンの効き目と量の出が悪くなると、血液中の糖は吸収されなくなり、そのまま血中に残ってしまいます。これが高血糖になるメカニズムです。それが慢性的にある水準を突破すると、いわゆる2型糖尿病になります。

それではなぜ高血糖であるにもかかわらず、血糖値を上下させる食べ方をしてしまうのでしょうか。それは人の食欲というものは、空腹感からくる食欲だけではなく、脳で感じる糖への渇望感からも起きるからです。

血糖値を激しく上げ下げする食事を繰り返していると、血糖値がすでに高い水準にあっても、体外から糖を摂取して血糖値を上げ下げするサイクルを繰り返さないと脳が満足しなくなるのです。一種の糖依存症だともいえるでしょう。

このため糖質依存からくる肥満については、体重を減らすことはすなわち血糖値を激しく上下させる食事をやめて、血糖値の水準を低下させることと同じことを意味しているのです。体重を減らすためには、カロリー摂取を単純に抑えるのではなく、まず血糖値を上下させない食事法に取り組むことが第一歩になります。減量はその結果なのです。

次回はその血糖値を上下させない食事法について紹介したいと思います。

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