スポーツ心臓とは

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心臓が肥大して分厚くなるスポーツ心臓は、スポーツをしている人、特にマラソンやロードレースなど持久系のスポーツをやられる方にみられる心臓の状態です。今回はこのスポーツ心臓について紹介したいと思います。

はじめにお伝えしたいのは、純然なスポーツ心臓は病気ではないことです。心肥大症と混同しやすいので病気だとおもわれることがあるのですが、あくまでもそれが持続的なトレーニングによって機能的に養われたものであるのならば、問題はありません。

ややこしいのは、もともと先天的な心肥大の傾向があったり、後天的に突然肥大の症状がでてきたような場合で、かつその人がスポーツを嗜まれている場合、肥大が病気によるものなのにスポーツ心臓と勘違いしてしまうケースです。この場合は大きなリスクにつながりかねませんので、スポーツを楽しんでおられる時に普段とは違うしんどさや息苦しさを感じたら、お医者さんにみてもらってください。

さていわゆる一般に言う心肺機能の高さというのは、心臓から送り出される血液の量の大きさと同値です。スポーツをしていると、身体の隅々までに酸素と栄養を血液で送り込まなければならないため、ポンプの役目をする心臓はその分強化されて肥大化するのです。強力になったポンプは一度に大量の血液を身体に送り出すことができるようになります。その代わり脈拍数は減少します。

心臓は他の臓器とは違い、心筋と呼ばれる横紋筋でできています。他の筋肉と同じく、収縮と弛緩を繰り返す運動をすれば筋肥大が起こり、心臓の壁は太く大きくなります。これがスポーツ心臓を引き起こすメカニズムです。

ロードレースを戦うサイクリストたちはマラソン選手と同じく、大きなスポーツ心臓を持っています。ツールドフランスを優勝するようなトップ選手になるとその心肺機能も強力です。何もしていない安静時の心拍数を測ると、一般人では一分間に70回程度の脈拍になります。これがよく運動をするスポーツ選手で50~60回、マラソンのトップランナーですと40回ちかい数字になります。ところがツールを一度制覇したフルーム選手などは30回前後にまで脈拍数は減少するのです。

フルーム選手は国籍はイギリスですが、出生地は南アフリカの高度の高い地域で育ちました。このため酸素の薄い環境の中で心肺機能が強化されたのです。プロボクサーがマスクをしてダッシュを繰り返すトレーニングをするのは、平地でも人為的に酸素の供給量を減らす環境を作り出すためです。

心臓は先ほど述べたとおり筋肉でできているため、筋トレをやめたら筋肉は萎んでしまうように、スポーツ心臓も競技をやめると数年で元に戻ってしまいます。逆に言えば、鍛えればどんな年齢からでもある程度の水準までは心肺機能はあがっていくのです。

ただし筋トレは1日休むと取り返すのに3日かかるといわれるぐらいなので、心肺機能もあまり間を空けてしまうとすぐに元に戻ってしまいます。ですのである程度日常的に、適度な休息はとりながらも、トレーニングを続けていく必要があります。

一般人が心肥大させるほどの運動量をやるべきだとはまったく思いませんが、適度な運動で適度に心臓を鍛えることは健康にとってよいことです。これからの季節日中は暖かくなってまいりますので、日光にあたりながら身体を動かしてほしいですね。

イラストはavaxhome.wsさんから提供されました

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