競歩からみる走ることと歩くことの違い

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鈴木雄介さんが競歩で世界新記録を打ち立てたというのは本当にすごいですね。おめでとうございます。20キロを1時間16分36秒ですから、ほとんど並みのマラソン選手よりも速く「歩いて」いるのですね。

競歩というと失礼ながらマイナーな陸上競技で、なかなか日の目をみることのない、にもかかわらず走るよりしんどいといわれるスポーツなのですが、今回の世界記録を機会に日本でも知られるようになってほしいと思います。

競歩というと”早歩き”と混同されることが多いのですが、スポーツなのでもちろんしっかりとしたルールがあります。そのルールは主に二つです。

  1. 常にどちらかの足が地面に接していること
  2. 前脚は接地の瞬間から地面と垂直になるまで膝を伸ばすこと

このルールを守らないと、並行してみている審判員たちに指導されて、違反が3回続くと失格となります。

競歩というと腰がくねくねして動くのを見るとおもうのですが、これは主にルール2によってです。片方の膝が伸びていると、その足のほうの骨盤があがり、逆は下がっているのでこのようなくねくねした動作につながるのです。

いわゆる”走る”という行為について、1のルールを裏返せばそのまま走ることの定義になります。すなわち両方の脚が地面に接していない瞬間があることが「走っている」ことを意味するのです。

この走りの定義は最先端のロボット工学の世界でも適用されています。ホンダのアシモという世界初の本格的2速自立歩行ロボットがありますが、このアシモが”走った”と認定されたのも、両方の足が地上から離れているという条件を満たしていたからでした。

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競歩には、ヒトにしか許されていない直立2足歩行の限界を突き詰めるロマンがあると思います。

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