試合中に感情を爆発させるのも戦略のうち?

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試合中に選手がプレーがうまくいかなくてイライラしてラケットやバットを地面に叩きつけているシーンをたまに見ます。物に当たるというのはもちろんほめられた行為ではありませんが、意外と次のプレーでは冷静になってポイントをあげているケースが目立つような気がします。

テニス選手もよくラケットを地面に叩きつけている場面をみます。ロシアのサフィン選手はグランドスラムを2度制覇したトッププレイヤーでしたが、よくラケットを壊すことで有名でした。ある試合では持ち込んだすべてのラケットを破壊してしまって失格になっています(笑。

冷静で知られるフェデラー選手もラケットを破壊してしまったことがあります。テニスは試合時間が3時間以上になることもある個人競技なのに、その間はコーチから指示を得ることができない孤独なスポーツです。ですのでメンタルの維持がとても試合結果に影響するのです。イライラをどうコントロールするかで選手の個性が出ます。

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ジョコビッチ選手もプレーに不満があるときは試合中によくボリス・ベッカーコーチに向かって文句をいっています。はっきりいって八つ当たりなのですが、コーチもよくわかっているのでそれを冷静に受け止めています。これもジョコビッチ選手流のイライラ解消法なのでしょう。

プロ選手、それも今名前を挙げたようなトッププロ選手になりますと、自分たちが使っている競技ツールのほとんどはスポンサーから支給されたオーダーメード仕様のものでしょう。一般からするととても買えないような高価なものでしょうが、それを問答無用で破壊できてしまうのはトップ選手の特権?なのかもしれません。ラケットやバットはそれでも比較的安価だと思いますが、ロードバイクになるとちょっとした車が買えてしまう価格です。ロードレースのツールドフランスを制覇したウィギンス選手もよく自転車を放り投げています。ただしさすがにスポンサーはあまりいい顔はしないと思いますが。

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多くのスポーツでは“ポーカーフェイス”であることが勝利の条件の一つになっています。自分が今苦しんでいることを相手にさとられないように、ポーカーフェイスの涼しい顔をしてまだまだ余裕だよと周りにアピールするのです。もちろん相手もポーカーフェイスですから、要するに根競べですね。プレーがうまくいっていないことでイライラしていれば、それが相手に伝わり、相手を精神的に有利にしてしまいます。

それでも一定数の選手、それも先ほど述べたようなトッププロの選手に感情を激しく表に出すタイプがいるのはなぜでしょうか。

ヒトがイライラしているときは、ノルアドレナリンという脳内物質が分泌されているといいます。別名「怒りのホルモン」と呼ばれるものです。トッププロは闘争心も人一倍ありますので、おそらくこのホルモンの分泌量も一般人よりもはるかに多くでているのでしょう。

このホルモンを抑える(というか出しきってしまう)一つの方法として筋弛緩法というものがあります。一度筋肉に力をいれてその後ぱっと脱力することで全身の力を抜かすというものです。興奮した交感神経を沈める働きがあると思われます。ラケットやバットに力をぶつけることは、結果としてこの擬似的な筋弛緩法を実践しているのではないかと思います。

日本人では小さいころから物に当たらないように教育されることが多いので、あまりこのような行為はしませんが、試合中にイライラを溜め込むなら一度(物に当たらない形で)大声を上げたりしながら全身で怒りを表現して爆発してせいせいしてみるのも、一つの解決法かもしれません。

感情を爆発させるのに戦略的もなにもないもんだと思われるかもしれませんし、実際はそうかもしれません。ただ試合中にイライラが募ったらあまり我慢しないで発散させようと決めていれば、ひきずらずその後のプレーにスムーズに入れるというのはあるかもしれません。

要は我慢するのであれ、爆発するのであれ、そしてそれが周りから見て多少かっこ悪いものであっても、勝利の確率を少しでも上げるものであればかまわないのかもしれません。プロの世界では勝利こそが求められるわけですから。

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