ウォーキング神話

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このブログでも何回も取り上げてきましたように、ウォーキングは日常無理なく運動できる種目として代表的なものです。ウォーキングは社会生活を支障なく行える一般人にとって一番簡単で費用も手間もかかりません。また故障のリスクも少なく、安心して継続して行えます。その意味でウォーキングが健康に良い運動であることはまちがいありません。

ただし注意も必要です。あまり人口に膾炙しているわけではないのですが、「ウォーキング神話」なる言葉があります。これはウォーキングの運動効果のよさを信じるあまり、少々過大な評価をウォーキングに与えてしまっていることをいいます。

つまりウォーキングをしていれば、それ以上他の運動をする必要はないと考えてしまうことです。特に筋トレなど無酸素運動への関心がおろそかになってしまうことがあります。ウォーキングはあくまでも有酸素運動の代表的な運動であり、無酸素運動なども包括した運動一般における代表的な運動ではないのです。

ウォーキングでまったく筋肉はつかないというわけではありません。歩くという行為は大腿四頭筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、下腿三頭筋など大きな筋肉を同時に使い、腰や腹や腕の筋肉だって使います。その意味ではウォーキングは確かに全身運動で筋肉運動でもあります。

しかし問題はウォーキングだけで、特に高齢者の方にとって、日常生活を支障なく営むのに必要十分な筋肉量を維持できるかというと難しいというのが真実です。

エベレストを最高齢で登頂した三浦雄一郎さんというと有名な登山家です。その健康法や運動法は広く世間に公表されて、多くの高齢者の方の運動の指針になっています。その中に”ヘビーウォーキング”というものがあります。30キロのザックを背負い、足に5キロのアンクルベルト巻き付け、週に四日多いときは一日8時間以上歩くウォーキングスタイルです。

このような高負荷の運動をお勧めしているわけではありません。そもそも三浦さんの目標はエベレストを登頂することなのですから、日常的な運動機能を維持するという目標とは大きく違います。しかし大事な点は、単純なウォーキングだけでは、筋肉量の増大もしくは維持ができないということです。

ウォーキングは運動の基礎であり欠かせないものです。大事なことはそれだけで満足してしまうのではなく、筋トレにもある程度時間とエネルギーを割いて、バランスの良い運動負荷を楽しんでいくことなのです。

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