糖質ダイエットの生みの親 ウィリアム・バンティング

William_Banting

糖質(抜き)ダイエットが流行っています。このダイエット法は比較的新しいものと一般的には捉えられているのですが、実はかなり昔19世紀のイギリスで開発されたものだといわれています。有名人を対象に葬儀屋さんを営んでいたウィリアム・バンティングという人がその創始者です。

バンティングは普段から肥満気味だったので、体重を落とそうと今で言うあらゆるダイエット法を試してみました。今の現代人と同じように食事量の節制をし、水泳やウォーキングに励み、時には薬まで使ってダイエットをしたそうです。でもそのすべてが失敗してほとんどあきらめてしまったそうです。

そんなときに出会ったのがウィリアム・ハーベイ医師でした。ハーベイ氏はフランスの糖尿病を専門としている医師と会い、糖尿病と食品との関係に興味を持ち調べていたのでした。バンティングから相談を受けたハーベイはそこである助言をしたのです。その助言とは、パン・バター・ミルク・砂糖・ビール・ポテトなど炭水化物と脂質類を食べないようにというものだったのです。その理由はそれらの食品はいずれも脂肪に変わるからというものでした。

この食事療法を取り入れたバンティングの体重は驚くべきことに毎週0.5キロ程度減少し、最終的には20キロのダイエットに成功したというものでした。このことに喜んだバンティングは自分のダイエット法を世界に知らしめようと小冊子をつくって出版したのです。これが糖質ダイエットの最初の一般的な紹介になりました。

このダイエット法は当時も議論の的になり、医学界では科学的な説明がつかないということで大きな批判にさらされました。現在でもこのダイエット法については様々な議論があります。個人的になぜ糖質ダイエットが効果的なのかを考えると、前回もお話したとおり、炭水化物や脂質が身体の燃料に当たるのに対して、たんぱく質は身体をつくる源になる栄養分であり、その余剰分が燃料に切り替わるという性質から来ているのだと思います。

つまり燃料をいきなり摂取してしまうと、その余剰分が脂肪に切り替わって身体に蓄えられてしまうのに対して、たんぱく質だとまず身体の組織合成のほうに使われ、その余剰分もはじめて燃料として使われるので、脂肪となるには1段階後になるというところが大きいのではないかということです。そしてたんぱく質が脂肪に変換するにはかなりのエネルギーが使用されるので、その分カロリーを消費するというわけです。

ダイエットには新たな方法が開発されメディアではそのつど大きく取り上げられますが、本質的なイノベーションはバンティング法以来あまりないというのが現状ではないでしょうか。それゆえ今頃になってバンティング法の看板を変えた糖質ダイエットがもてはやされているのかなと思います。

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