ランニングを始めると、様々な痛みが生じてきます。ここではシリーズとしてまず膝痛について幾つかの症状について解説し、対処法を紹介したいと思います。
まず膝痛のなかでももっとも重症度の高い症状である半月板損傷について説明します。症状としては膝の曲げ伸ばし時に痛みがでて、ばきばきとした引っかかりを感じるというものです。
半月板は大腿骨と頸骨の間にあり、軟骨と同じく膝のクッションの役割をしています。半月板には2種類があり、図のように内側と外側にあります。したがって痛みのでる位置がそれぞれ違ってきます。正確な診断についてはお医者さんにいってMRI検査をしてもらいましょう。
半月板の損傷というと、よくサッカー選手が相手選手と接触したりして起きる急性のものもありますが、ランニングを趣味として長距離を走ることを習慣にしているランナーにも慢性的に起きることもあります。慢性的な場合、時間をかけて半月板がねじれ変形していくため、変形性膝関節症になっていく場合もあります。
毎月かなりの距離を走られている上級者のランナーで、アップダウンの激しい道を走られている方、そして膝が伸びた状態で着地するタイプのランナーに起こりやすい症状だといえます。また膝が内側に入りやすい人にも起こりやすいです。
このような痛みの症状がでたら、すぐにランニングを停止しましょう。そのまま走っていると重篤な結果を招くことになります。予防的な対処法としては、ハムストリングの柔軟性の改善、ふともも周りの筋力のアップが必要になります。膝周りにはテーピングやサポーターを巻いて固定することも効果的です。
次回はランナー膝と呼ばれる腸頸靭帯炎について説明します。