高地トレーニングって何?

2005-2

高地トレーニングというのを聞いたことがある人は多いと思います。高地トレが有名になったのは、マラソン金メダリストの高橋尚子選手のボルダーで行った高地トレーニングでしたね。ではなぜマラソンランナーやサッカー日本代表などが高地でトレーニングをするのでしょうか。

それを理解するために、まずヘモグロビンについて紹介しておきます。ヘモグロビンは血液中に存在する赤血球の中の蛋白質のことです。ヘモグロビンは酸素分子と結合して、肺から全身への酸素供給を可能にしてくれる働きがあります。したがってヘモグロビンが増えると、酸素供給能力が上がることにつながります。そして一般的に赤血球が増えると、ヘモグロビンが増加することになります。

有酸素運動はこの赤血球の増加を促し、ヘモグロビンを増加させることで体内の酸素供給能力を増やしてくれるのです。また酸素の薄い高地では、身体が低酸素状態に対応しようとしてヘモグロビンの量を増やそうとします。また肺の酸素供給能力を効率化しようとします。これがマラソン選手やサイクリストなど、おもに心肺機能を使う持久形のアスリートたちが、高地でトレーニングをする最大の理由なのです。

実際マラソンでは最近アフリカ出身の黒人選手が圧倒的に強くなっています。エチオピアやケニアの選手が目立ちますね。これらの国々の標高は高く、普通に生活しててもそれがそのまま高地トレーニングになっています。

ロードバイクの世界でも同様です。今一番早いといわれるクリス・フルーム選手は、イギリス国籍の選手ですが、生まれと育ちは南アフリカの高地でした。最近はコロンビアの選手も強いのですが、コロンビアも高地民族であり、もともと心肺機能が非常に高いのです。

もちろん心肺機能の強化に高地トレーニングが有効だからといって、一般のホビーランナーやサイクリストが高地に行って定期的に心肺機能を高めるようなトレーニングをすることはできませんが、有酸素運動をつづけることで心肺機能を高めることができることが理解できると思います。

そして注意してほしいのは運動のしすぎはヘモグロビンの量を減らしてしまうことにつながるということです。運動をすると汗をかきますが、この汗には鉄分が含まれています。ヘモグロビンは、酸素と結合するヘムという物質と、グロビンという蛋白質が結合してできていますが、ヘムの合成にはこの鉄が必要です。運動をして汗をかいて鉄分が体外に排出されますと、このヘモグロビンが生産されなくなってしまうのです。

サイクリストは100キロ程度のロングライドをすると、途中でバームなどの市販のミネラルを含んだジェルを補給しますが、これは鉄分を補うためですね。大事なのは適度な運動とともに鉄分の摂取です。最近すこし歩いただけで息切れをする、階段が上れなくなったという方は、是非運動習慣と食習慣を見直してほしいですね。

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