上原・黒田投手の活躍からみる甲子園の価値

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去年、レッドソックスの上原投手やヤンキースの黒田投手が、MLBで大活躍したのは記憶に新しいことです。上原投手も黒田投手もともに39歳のベテランにもかかわらず、球威は落ちているどころかあがっているようにも思えます。

この二人の投手に共通するのは年齢以外になにかあるのでしょうか。それは二人とも甲子園大会で投げた経験がないということです。

上原投手は高校生当時は主力投手の控えもしくは外野手を務めてましたし、府大会で敗退したので甲子園には出場していません。また黒田投手も大阪の名門上ノ宮高校に進みましたが、彼もまた控えの投手でした。そのため甲子園では投げていません。

投手にとって肩や肘は消耗品だと言われます。プロになるぐらいの選手では長年のトレーニングで、特定の部分に絶えずストレスがかかります。特に肘や膝の腱は筋肉のように鍛えることが出来ず、一度損傷するともとにもどりません。これは膝下の軟骨と同様です。

甲子園で活躍した投手にはMLBではダルビッシュ、田中将大、岩隈久志、松坂大輔投手などがいます。MLBに進出した投手では他に桑田真澄選手もおられますが、松坂選手とともにひじを壊して、トミージョン手術というものを受けています。この手術は損傷した靭帯を、損傷していない一方の腕の腱や下肢の腱を切除して移し替えるという再建手術の一種です。初めてこの手術を受けたのがトミージョン選手だったのでその名前が付けられています。

去年活躍した岩隈投手も甲子園での投球経験はありますが、彼はプロになっても投げ込み練習をしないことで有名でした。少ないサンプル数なので偶然かもしれませんが、甲子園で活躍した桑田選手や松坂選手がメジャーでは故障もしくはそれほど長く活躍できなかったのに対して、黒田選手や上原選手がベテランになっても投げ続けていられることについては、やはり甲子園での過投球の有無が選手生命に大きく影響している可能性があります。

将来甲子園を目指そうとしているお子さんもおられると思いますが、仮に甲子園に出場できなくても、将来プロの大きな舞台で長く活躍できる選手も多いということを知っておくことは、安心できることかもしれません。甲子園での活躍を夢見てオーバートレーニングになり、育成年代の高校生の身体に負担がかかってしまう現状については議論する余地があると思います。

甲子園は日本のスポーツ興行のひとつの金字塔だと思います。長年の伝統と人気があり、これに匹敵する学生スポーツはおそらく世界でもアメリカのカレッジ・フットボール(大学アメフト)ぐらいではないでしょうか。その歴史と権威は尊重されるべきですが、時代とともに高校年代については競争から育成へと大きな流れの変化があるとおもいます。甲子園における球数制限についての議論がありますが、プロでの実績の観点からの評価もお願いしたいものです。

また、これはスポーツを楽しまれる一般の方にも教訓を与えてくれます。いくつになってもスポーツを楽しむためには、損傷しては再生が難しい膝や肘の腱や軟骨を長く大切に使っていく事が必要です。そのためには正しいフォームと適度な運動量を意識する必要があるのです。

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